メルマガ読者の皆様の質問に《大前研一》が回答!
2008/06/10 22:40 - 大前研一[1]
■┓ 原子力発電のリスクマネジメント
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—★読者・羽鹿さんからの質問—————————
原油価格高騰により原子力発電が見直されています。
ただ、放射性廃棄物の処理には多大なコストと年月を要し、
問題発生時のリスクが非常に大きいようです。
しかし青森県六ヶ所村ではこうしたリスクに対する充分な
考察がなされないまま、再処理工場が建設されています。
原子力の専門家として、また経営コンサルタントとして
このリスクマネジメントやコストをどのように考えられますか?
—★大前研一からの回答———————————-
リスク云々の問題ではなく、果たして日本は再処理工場を
持つ必要があるのか否かという点から考察をスタートする
必要があります。
これまではフランスやイギリスなど他国に任せて再処理を
してもらっていましたが、国策として日本が再処理工場を
国内に持つ必要がある、と考えるに至ったのは
それなりの理由があります。
まず、一つ目の理由は経済的な点です。原子力を用いると、
基本的にコストが安定します。なぜかというと、
産ウラン国であるカザフスタン、アメリカ、ロシアなどが、
一時的に投機行為などによって価格上昇を試みるとしても、
各国がかなりの備蓄を保有していれば、その行為への抑止に
繋がるためです。
二つ目は、再処理する能力を持つことで日本が油田を持つのと
同じ効果が得られるためです。原子力発電の燃料である
ウランの供給は、世界的にみて現在は相当な量になっています。
日本も多く保有していますが、再処理をする能力がないと
ウランを使用することができません。
原発の使用済み燃料を再処理し、再利用できる技術を
日本が保有することで、ウランを輸入する必要がなくなり、
あたかも国内にエネルギー資源が確保されたような状態に
なるということが、日本にとってのメリットとなります。
結果的に、リスクがあるとしても、国策として日本が
再処理工場を国内に持つ必要があると考えた結果、
六ヶ所村で再処理工場が建設されています。
リスクに対する考察がなされないというのは少々言い過ぎで、
それなりの事は行っており、当然ながら地震を想定して設計・
建設されています。
基準値以上の地震の発生時には、原子炉が自動的に停止する
設計になっているのです。そして、再処理工場は直下型地震に
襲われたときはどうなるのか、など考察もされています。
もちろん、リスクは存在しますし、個人的には、
六ヶ所村が再処理工場を持つからには、
それなりのリスク分散も必要であると思っています。
2007年7月16日の新潟県中越沖地震の発生後に
「柏崎原発、褒めるべき点・反省すべき点」と題して
日経BPに寄稿した記事があります。
こちらの記事の内容も、参考まで一読ください。
http://vil.forcast.jp/c/ai7DamfCj6jlpHac
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